2021.04.15

Netflix映画『彼女』にインテリアの美術協力をさせていただきました！

[公開日]

2021年4月15日公開

[キャスト]

永澤レイ：水原希子、篠田七恵：さとうほなみ、他キャスト：真木よう子、鈴木杏、田中哲司、南沙良、新納慎也、田中俊介、鳥丸せつこ

[使用場所]

[商品]

原作は2007年から2012年にかけて発表された、中村珍著「窒青」。家族からの暴力に苛まれてきた女性が、殺人という最も大きな暴力でしか対抗できなかった現実。その生い立ちから、人を信じることができない「私」を、愛し続ける「あーし」の一途な恋心。そして、現代の日本でレズビアンとして生きることの難しさ。女ふたりきりの逃亡劇――しかし、傍にいるから孤独や絶望がなくなるわけではなく、ふたりの世界は決して交わらず、理解しあわず、何度もぶつかり合い、憎みあい、傷つけあい、すれ違い続けます。手放したいと思いながら縋り付く、「私」と「あーし」は、対照的なようでいて、合わせ鏡のようにお互いがお互いを映し、許すこと、諦めること、愛すること、生きること――その本質を深くえぐっていきます。そして、「居場所」を求める者たちの痛烈な叫びは、決して彼女たちだけのものではなく、生きづらさを感じるすべての人たちの叫びでもあります。様々な社会問題をはらみながら、壮絶な描写や胸のえぐられるようなセリフもあるのに、どこか爽快な女二人の逃亡劇。この物語の根底にあるのは、「好きな人と一緒にいられることのかけがえのなさ」。普遍的であり現代でしか表現できない極上のロードムービーが誕生します。

[ストーリー]

高い社会的地位にある夫を持つ29歳の草子。しかし夫は浮気性で癇癪持ち。草子は日常的にDVを受け、自尊心のかけらも持てない日々を送っている。幼少の頃から貧乏で、実母は蒸発し、実父から暴力を受け続けてきた。同い年の智代美は、銀座にビルを持つ裕福な両親と優しい兄がいて、見る者を惹きつけずにはいられない美貌をもっている。しかし彼女は物心ついた時から自分が同性愛者であることに気づき、そこには深い劣等感と外感と孤独感があった。
高校の同級生だった二人が、卒業の10年後に偶然再会する。草子は智代美の恋心を利用し、夫殺しを依頼する。殺した後は、智代美が捕まって終わりのはずだった。しかしなぜか草子は、智代美を車の助手席に乗せ、走り出した――。ふたりの逃亡の先にある結末は、それまでとはまた別の、孤独と絶望なのかもしれない。しかし、草子の助手席――決して手に入れられるはずのなかった「あーたの隣」に座ることができた智代美の、今まで生きてきた中で一番幸せな3日間の物語がはじまる。